横滑り防止装置(ESC)とは?警告灯やオフスイッチについても解説
横滑り防止装置(ESC)は、自動ブレーキなどと同じく事故の予防を支援する安全装置のひとつです。
通常走行時はあまりその働きを体感する機会が少ない装置のため、そもそも横滑り防止装置の機能を知らなかったり、「オフスイッチは何のためにあるの?」「警告灯の意味は?」と疑問に思ったりしている方も少なくないでしょう。
この記事では横滑り防止装置の機能や作動条件、さらにオフスイッチや警告灯についても、まとめて解説します。
横滑り防止装置とは?
横滑り防止装置とは、車がカーブや滑りやすい道路でバランスを崩しそうになった時に、自動でエンジンやブレーキの調整を行い、車のバランスを保つための装置です。
くるまのハヤシの公式サイトでは横滑り防止装置が装備されている在庫車に、「横滑り防止装置(ESC)」と記載しています(「装備情報」の欄)。

横滑り防止装置の呼び名の違い
目的や機能に大きな差はありませんが、メーカーや車種により、横滑り防止装置の呼び名が違う場合があります。以下の表がその一例です。
| メーカー | 呼び名 |
|---|---|
| トヨタ | VSC(ビークル・スタビリティ・コントロール) |
| ホンダ | VSA(ビークル・スタビリティ・アシスト) |
| 日産 | VDC(ビークル・ダイナミクス・コントロール) |
| マツダ | DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール) |
| スズキ | ESP(エレクトリック・スタビリティ・プログラム) |
横滑り防止装置の仕組み
横滑り防止装置は、大きく分けて以下の3ステップで作動します。
- センサーがタイヤの横滑りを検知する
- ECU(電子制御ユニット)がエンジンの出力を制御したり、各タイヤのブレーキを個別に制御したりする指示を送る
- 車の姿勢が安定すると同時に、メーターパネルの横滑り防止装置の警告灯(スリップ表示灯など)が光る
横滑り防止装置が作動する場面
横滑り防止装置が作動するのは、主に以下のような場面です。
- 雨の日の道路・雪道などで急カーブを曲がる場面…車が横滑りを起こしやすい道路の状態になっている
- スピードに乗ったままカーブを曲がる場面…車が外側に膨らむアンダーステアや、車が内側に巻き込むオーバーステアが起こりやすい
- 緊急回避が必要な場面…突然障害物が現れたり、前方を走る車が急停止したりして、急ハンドルを切ると、スピンを起こしやすい
横滑り防止装置が特に必要な車
スーパーハイト系など、車高が高い車には、横滑り防止装置が特に必要と言えます。これは、車高が高い車は車高が低い車に比べて重心も高く、車が姿勢を崩した際に横転する可能性が高いためです。
横滑り防止装置のオフスイッチはいつ使う?
横滑り防止装置は基本的に、エンジンを始動するとオンの状態になります。通常ならオンの状態のまま運転するのがよいですが、オフスイッチを使い、横滑り防止装置をオフにした方がいい場合もあります。
横滑り防止装置のオフスイッチを使う場面として代表的なのは、雪道やぬかるんだ泥道、砂地などでスタックしたときです。車がスタックした場合は、ある程度タイヤを空転させてでも、駆動力を確保した方がよいとされています。そのため、エンジンの出力を抑え、結果的にタイヤの空転も抑える横滑り防止装置は、一時的にオフにする必要があります。なお、スタックから脱出できたら、必ずオンに戻しておきましょう。
横滑り防止装置とABSの違い
横滑り防止装置とABSは、どちらも滑りやすい状況で働く安全装置のため混同されがちですが、何を防ぐかが異なります。
ABSは、急ブレーキをかけたときなどにタイヤのロック(タイヤの回転が止まる)を防ぎますが、横滑り防止装置は、走行中に車がバランスを崩しそうになったときに横滑りやスピンを防ぎます。
つまり、ABSはブレーキをかけたときのタイヤのロック、横滑り防止装置は走行中の車のバランスの崩れに対応する装置だといえます。
なお、ABSについて詳しくは、以下の記事で解説しています。
横滑り防止装置の警告灯について
横滑り防止装置の作動状態や異常を表す警告灯は、スリップ表示灯である場合が多いです。
スリップ表示灯は、光ったら必ず異常があると示すものではなく、光り方によって対処方法が異なります。
スリップ表示灯が一時的に光った場合は、横滑り防止装置などのトラクションに関わる機能の作動を示すことが多いです。その後、スリップ表示灯が消えたままであれば、特に気にすることはないでしょう。
スリップ表示灯が光り続けている場合は、まず横滑り防止装置が意図せずオフになっていないかを確認しましょう。横滑り防止装置がオフであると、OFFという表示とともにスリップ表示灯が光る場合が多いためです。
横滑り防止装置がオンであるにも関わらず、スリップ表示灯が光り続けている場合は、トラクションに関わる機能に不具合が生じている可能性が高いです。その状態ではトラクションに関わる機能は作動しない場合が多く、危険です。
そのため、速やかにくるまのハヤシ(車検の速太郎)などの整備工場やディーラーで点検を受けることをおすすめします。なお、くるまのハヤシ(車検の速太郎)なら車の状態や車種をもとに、無料で修理費用の見積もりを実施できます。